南極の氷が溶けると海面は上昇するのか?!(2004年11月1日執筆)

 「南極の氷が溶けて海水面が上昇し、標高の低い南の海に浮かぶ島々が100年後には沈む?」というような話を聞いたことがありませんか?

 「北極海の氷が溶けると海面上昇する」という話は最低です。氷は水のときよりも体積が膨張し、その結果として比重(密度)が軽くなり、浮力が出ます。ですので、氷が溶けても元の水位に戻るだけなので、海面上昇にはつながりません。

 では、南極の氷は溶けているのでしょうか?確かに南極の周辺部では大規模な氷壁の崩壊が進んでいるという話をよく耳にします。ところがIPCCの報告等では、過去100年の間に南極の氷が溶けて海面上昇したとは考えられておらず、今後100年の間でも地球温暖化が進行すると南極では降雪が増えるなどで氷床が増加し、むしろ海水面は下がる効果が出るという説も有力なようです。南極については、海面上昇にはほとんど影響しないようです。

 もっともグリーンランドの氷床や氷河が溶けたりすることで、海面の上昇は起こるようです。でも、もっとも大きな原因は、海水の体積が熱膨張するというのが有力な説のようです。水は温度によって体積変化は少ないのですが、4℃が最も体積が小さくなります。温度上昇によって熱膨張することは間違いないのですが、これが海面上昇の一番の原因とは・・・。

 だいぶ一般の認識とは違いますね。