ダイヤモンド半導体
その他


第1回 就職活動のいろいろ(2004年6月22日)

フリーターとかニートが増えて社会問題化しているというニュースを見ますが、今回はそんな話ではありません。

研究室で実験をやりながら麻雀の本を熟読している学生がいた。うちの木村研究室は、やることさえやっていれば比較的自由な雰囲気があるので、そんなに驚くことではないのだが、真っ昼間からどうどうとなので軽くジャブ。「勉強に熱が入っているねぇ・・・。」

いつもなら、「あっ、えー・・・。すみません。」みたいな感じなるのだが、今日の展開は新鮮だった。

「実は就職対策で大変なんですよ。」えーっ!そんなことあるの?と思いつつも教師の勘が、けっしてウソではないと感じたので、「まぁ、がんばってね。」と、その場は流してしまいました。しかし!!よくよく考えると、こんなおいしいネタは無い!?ということで、あらためて戻って詳しく取材することにした。

学生が就職を希望していたのは東京都大田区にある、ある卸問屋。就職希望者が麻雀を打って、その手を採用担当者が後ろから見て判定するというユニークな試験であるようだ。最初は、変わった試験方法だなぁと感じたが、たしかに場の流れを読む力や、とっさの判断力、勝利のための計算、あるいはポーカーフェイスのディフェンスなど社会で必要な要素や、人間性など本音が見えてきそうだ。

いちおう、「着実な手を選びながらも1回くらいはチャンスがあったら大きい手を打てよ。」と指導教員としても、適切?なアドバイスをしておいた。ついでに、就職対策として「カツオ削りぶし」と「カツオブシ削りぶし」の違いについての一般常識(というか、うんちく)も授けておいた。

そう言えばだいぶ昔の話になるが、採用面接の場で「趣味は?」と聞かれて「競馬です。」と答えた学生もいました。大手電機メーカーTの関連会社だったんだけど、たまたま面接官と趣味が一致して意気投合。学生の並々ならぬデータ量と分析力と説得力に圧倒されたようだ。確かに私が見ても、競馬に関しては迫力があり、ついつい馬券買ってきてと頼んでしまったこともあります。芸は身を助けるというか、結局内定をもらって就職してしまいました。競馬予想プログラムを開発すべく、がんばっていたなぁ・・・。

そう言われれば、最近、企業の人事採用のやり方はだいぶ変わってきたなぁと感じる。圧迫面接とかたまに聞くが、最近は減ってきているように感じる。いずれにしても、一芸(何かに打ち込んだ経験)を持った学生の就職は強いですねぇ。成績よりも人物が評価されることも多い。

もっとも、私自身はまともな就職活動というものをまったくやっていません。バブル経済の頃にM電機の接待系の説明会があって、飲ましてもらったくらいしかエピソードがありません。まともな就職経験ではないですね。