「ファラデーマジック」は、2002年に電気自動車として登場し、2005年より燃料電池自動車へとコンバートされました。主なコンバートのポイントは、鉛蓄電池を燃料電池へ置き換えたことです。大同メタル工業製の燃料電池HFC-1275を1台搭載しています。水素ガスボンベは、高圧タイプではなく、水素吸蔵合金ボンベを使用しています。

 

定格出力に対して、燃料電池の内部抵抗は大きく、HFC-1275の場合で約1Ωほどあります。そこで、日本ケミコン製の電気二重層キャパシタDLCAPの角形2.5V-1000F品を6本搭載し、燃料電池と並列接続することで、システムとしての合成内部抵抗を低減しています。電気二重層キャパシタの大容量特性が活用された結果、モータからの瞬間的な出力要求に応じたり、トータルのエネルギー効率を改善するなどの効果を発揮しています。

2006年仕様では、燃料電池への空気供給を高めるとともに、旭硝子エンジニアリング製のサンセップを水素加湿器として、水素ボンベと燃料電池の間に挿入するなどの改装を行っています。その結果、2006 World Econo Move燃料電池部門の予選1位になるほどの性能を得ています。

 

燃料電池自動車のフロント部と天井部には、水素ガスが内部に滞留しないように、直径3cm程度の穴が開けられています。