2013年10月、World Solar Challengeに東海大学ソーラーカーチームが4輪の新型車両で参戦!!
オーストラリアで開催されるWorld Solar Challenge
2013年10月6日〜13日、オーストラリア大陸北部のダーウィン(ノーザンテリトリー準州都)から南部のアデレード(南オーストラリア州都)までの3,000kmを、太陽エネルギーのみを使ったソーラーカーで縦断する、「ブリヂストン・ワールド・ソーラー・チャレンジ(Bridgestone World Solar Challenge」が開催されます。(以後、WSCと略記)このWSCは、1987年に第1回大会が開催され、2013年で12回目を迎えます。この大会に24の国と地域から43チームがエントリーし、22の国と地域から40チームが出場しました。東海大学はこれまでに、1993年、1996年、2001年、2009年、2011年の5大会に出場し、2009年にはTokai Challengerで日本勢として13年ぶりの総合優勝、2011年には二連覇を成し遂げました。2013年は、大会レギュレーションが大きく変更される中で2013年型ソーラーカーTokai Chalengerを開発し、3連覇を目指して参戦します。主なライバルチームとしては、オランダのヌオン・ソーラー・チーム(デルフト工科大学)、アメリカのミシガン大学チームなどが挙げられます。詳しい情報はWikipediaのワールド・ソーラー・チャレンジなどを参照してさい。

Bridgestone World Solar Challengeのロゴマーク

World Solar Challenge 3,000kmのコース
(日本の北海道から沖縄までよりも長いコース)
2013年のレギュレーション改定
公道を利用するレースであることから、ソーラーカーの安定性と安全性を高めるとともに実用化を加速するために、これまで3輪以上と定められていたホイールの数が2013年から4輪の義務化へ変更され、全長も5mから4.5m以下へ短縮されることになりました。このレギュレーションの変更により、ソーラーカーのデザインは大きく変化することを余儀なくされました。
2009年〜2013年にかけての関するレギュレーションの変化
年 |
太陽電池種類 |
太陽電池面積 |
全長制限 |
コックピット&視界 |
主な変更ポイント |
2009 |
化合物 |
6m2 |
5m |
座った乗車姿勢、前方視界については肉眼で目視できること |
|
シリコン |
↑ |
↑ |
↑ |
|
2011 |
化合物 |
3m2 |
↑ |
↑ |
化合物太陽電池が不利に |
シリコン |
6m2 |
↑ |
↑ |
シリコン系太陽電池が有利に |
2013 |
化合物 |
3m2 |
4.5m |
広いコックピット、ドライバーの前方で4m離れた上下0.7mの範囲が見える |
全長が0.5m短くなり、大きなコックピットが必要となる |
シリコン |
6m2 |
↑ |
↑ |
↑ |
全長が5mから4.5mへ短縮され、コックピットが大型化されることから、レギュレーションで認められた太陽電池6m2を貼ることが困難になるため、全幅はレギュレーションで許される最大の1.8mまで拡幅することになりました。さらに、車体前部に1.5m×0.3mの情報スペースの設置が義務づけられたことから、人間の頭が入るキャノピーの脇まで太陽電池を設置しなくてはならなくなりました。しかし、多くの枚数を直列に接続している太陽電池モジュールは、一部が影に入ると出力が激減してしまいます。

この2013年のレギュレーション変更に対応するために、センターキャノピー型(A案)、カタマラン型(B案)などの様々な形状のソーラーカーが検討されました。左からType-A, Type-B, Type-Cという開発コードが与えられています。

これらのボディはソフトウェアクレイドル社の熱流体解析ソフトであるSCRYU/Tetraによって評価が行われ、形状変更と空力評価が繰り返し行われることで空力性能の改善が行われました。その結果、デザインされたのがType-Bを元に開発された2013 Tokai Challengerです。当初、オーストラリアは日本と同じ自動車の左側通行を採用していることから右ハンドル車で検討されました。しかし、南側へ南下し、朝8時から夕方5時まで行われるWSCの場合、進行方向に対して右側から太陽光を受ける時間が長くなるため、最終的には左側にコックピットを設けることにしました。

2013年型Tokai Challengerの特徴
パナソニックから供給されているHIT太陽電池モジュールは、通常の製品ラインの中から厳選されたものが使用され、反射防止構造の性能向上や高反射充填剤などの改良が施され、22%だった変換効率が22.5%に向上しました。その結果、定格出力は1.32kWから1.35kWへと増加させることに成功しました。2013 Tokai Challengerは、パナソニックブランドの太陽電池を搭載する唯一の参加チームとなる見込みです。リチウムイオン電池は、従来のNCR18650Aから、新型のNCR18650B型に変更され、16並列27直列のバッテリが組み上げられました。搭載が認められる21kgの重量制限の中で、2011年は5.0kWhだったエネルギーが2013年には5.2kWhへと向上しました。

さらに、東レの炭素繊維「トレカ」の供給を受け、東レ・カーボンマジック社で製品成形していただくことで超軽量な車体を実現しました。今回はT700を使用したトレカクロスに開繊処理を加えプリプレグとしたものや、T800を使用したプリプレグなどが用いられました。

ミツバ社のソーラーカー用ブラシレスDCダイレクトドライブモータに鉄製アモルファスコア、ケイ素鋼板バックヨーク、ジェイテクト製のセラミックボールベアリングなどが組み合わせれ、98%という超高効率なモータが新規開発されました。

さらに、ミシュランが開発したソーラーカー専用ラジアルタイヤは、転がり性能に優れており、ソーラーカーの省エネルギー化に貢献してくれています。産総研、小山高専と三島木電子が開発した変換効率98.5%(代表値)を誇る昇圧型MPPTを組み合わせることで、太陽エネルギーを無駄なくソーラーカーへ採り入れます。

これ以外にも、チームTEEDA(独立行政法人科学技術復興機構・平成24年度CREST採択事業)の協力で気象衛星ひまわり7号(運輸多目的衛星新2号 MTSAT-2)によるオーストラリアの高精細衛星画像および日射量推定マップを利用した天候予測を行います。日本デジコム社の協力で車載型インマルサッと通信衛星端末Explolar 325を利用することで、30分間隔で最新の衛星画像を現地で入手することが可能になりました。


2013年型ソーラーカーTokai Challenger
新型4輪ソーラーカー2013 Tokai Challengerの諸元表
Length |
4495mm (-495mm) |
Width |
1795mm (+205mm) |
Height |
1008mm (+128mm) |
Track |
1166mm (-84mm) |
Wheel Base |
2039mm (-11mm) |
Weight |
150kg (+16kg) EST. |
Solar Array |
Panasonic, HIT solar cells, 6m², Efficiency 22.5%, Output Power 1.35kW |
MPPT |
Mishimaki, New Boost Type, 18 Channels, Efficiency 98.5% |
Battery |
Panasonic, Li-ion Battery, 432 Cells of NCR18650B, 21kg, 5.2kWh |
Motor |
Mitsuba M20100D-SP2013, Brushless DC, Direct Drive, Iron Based Amorphous Core, 98% with Controller |
Controller |
Mitsuba, 3 Phase PWM control |
Tire |
Michelin, Radial X 95/80R16 x 4 |
Wheel |
Toray Carbon Magic, 16 inch Carbon Disk x 4 |
Brake |
Front: AP, Hydraulic Disc & Sunstar Engineering, Disk, Rear: AP, Hydraulic Disc & Regeneration Brake |
Average Speed |
85km/h (solar power only) |
Maximum Speed |
150km/h (both solar and battery power use) |
遠征メンバー*1
チームマネージャー |
大久保亮佑(工学部機械工学科3年) |
テクニカルディレクター |
池上敦哉(ヤマハ発動機) |
セーフティーオフィサー |
若林希(工学部機械工学科2年) |
ドライバー |
伊藤樹(工学研究科航空宇宙工学専攻2年)、遠藤直樹(工学部動力機械工学科3年)、坂井達哉(工学部動力機械工学科3年)、佐川耕平(富士重工業、本学OB) |
スタッフ |
学生12名、三瀬剛(芦屋大学) |
チーム監督 |
木村英樹(工学部電気電子工学科教授) |
チーム副監督 |
福田紘大(工学部航空宇宙学科航空宇宙学専攻講師) |
プロジェクトコーディネーター |
佐藤多嘉雄(チャレンジセンター推進室) |
出場予定チーム
24の国と地域から43チームが出場します。*2
Class |
Team Name |
Car Name |
Country |
Challenger |
Anadolu Solar Team |
SUNATOLIA2 |
Turkey |
Challenger |
Blue Sky Solar racing |
B-7 |
Canada |
Challenger |
Cambridge University Eco Racing |
TBC |
United Kingdom |
Challenger |
EAFIT-EPM Solar Car Team |
PRIMAVERA |
Colombia |
Challenger |
Eco Solar Breizh |
HEOL |
France |
Challenger |
Ecole de technologie superieure |
ECLIPSE 8 |
Canada |
Challenger |
Hachinohe Institute of Technology |
HI-TECH |
Japan |
Challenger |
Hanergy Solar-car Team |
East-Energy |
China |
Challenger |
HAVIN Solar Car Team |
HAVIN U |
Iran |
Challenger |
ITS Solar Car Team |
SAPU ANGIN SURYA |
Indonesia |
Challenger |
ITU Solar Car Team |
ALIBA VI |
Turkey |
Challenger |
JU Solar Team |
NATURAL MAGIC ENERGY |
Sweden |
Challenger |
Kanazawa Institute of technology YUMEKOBO |
KIT G.E.5 |
Japan |
Challenger |
Kogakuin University Solar Vehicle Project |
PRACTICE(驍勇) |
Japan |
Challenger |
KUST (Kookmin University Solar car Team) |
|
South Korea |
Challenger |
Nuon Solar Team |
NUNA7 |
Netherlands |
Challenger |
Onda Solare |
EMILIA 3 |
Italy |
Challenger |
Punch Powertrain Solar Team |
INDUPOL ONE |
Belgium |
Challenger |
Seraaj Solar Car Team |
WAHJ 2 |
Saudi Arabia |
Challenger |
Solar Energy Racers |
SER-2 |
Switzerland |
Challenger |
Solar Team Twente |
THE RED ENGINE |
Netherlands |
Challenger |
Stanford Solar Car Projyect |
LUMINAS |
United States of America |
Challenger |
Sun Shuttle |
Sun Shuttle |
China |
Challenger |
SunSPEC |
SUNSPEC 3 |
Singapore |
Challenger |
Team Arrow |
ARROW 1 |
Australia |
Challenger |
Tokai University |
Tokai Challenger |
Japan |
Challenger |
Uludag University Mechanical Community |
TIMSAH-NOVA |
Turkey |
Challenger |
UMPSolar |
KILAU 2 |
Malaysia |
Challenger |
University of Michigan Solar Car Team |
GENERATION |
United States of America |
Challenger |
UWS Solar Car |
SOLACE |
Australia |
Michelin Cruiser |
Apollo Solar Car Team |
APOLLO SOLAR CRUISER CAR |
Taiwan |
Michelin Cruiser |
Goko High School |
KAITON U |
Japan |
Michelin Cruiser |
Hochschule Bochum SolarCar Team |
POWERCORE SUNCRUISER |
Germany |
Michelin Cruiser |
Solar Team Endhoven |
STELLA |
Netherlands |
Michelin Cruiser |
TAFE SA SolaSpirit |
SOLAR SPILIT 3 |
Australia |
Michelin Cruiser |
Team Okinawa |
LEQUION |
Japan |
Michelin Cruiser |
University of Calqary Solar Car Team |
SCHULICH DELTA |
Canada |
Michelin Cruiser |
University of Minnesota |
DAEDALUS |
United States of America |
Michelin Cruiser |
University of Tehran Solar Car Team |
PERSIAN GAZELLE V |
Iran |
Michelin Cruiser |
UNSW Solar Racing Team - Sunswift |
EVE |
Australia |
GoPro Adoventure |
Antakari |
INTIKALLPA 2 |
Chile |
GoPro Adoventure |
Aurora Vehicle Association |
AURORA EVOLUTION |
Austraria |
GoPro Adoventure |
IVE Solar Car Team |
SOPHIE W |
Hong Kong |
GoPro Adoventure |
KAIT WSC Project |
KAIT SPIRIT |
Japan |
GoPro Adoventure |
Mississippi Choctaw High School |
TUSHKA HASHI (IN THE CHOCTAW LANGAGE THIS MEANS SUN WARRIOR) |
United States of America |
GoPro Adoventure |
SIKAT Solar Philippines |
SIKAT U |
Philippines |
GoPro Adoventure |
Sooner Solar Car Team |
SPIRIT OF OKLAHOMA - NORMAN |
United States of America |
GoPro Adoventure |
Team Solaris |
SMYRNA |
Turkey |
チャレンジャークラス28台、ミシュラン・クルーザークラス8台、GoProアドベンチャークラス7台。グレーは棄権。
*1 2013年8月20日時点での所属、学年より
*2 2013年8月15日時点での大会の発表資料より
スポンサー
パナソニック株式会社
東レ株式会社
東レ・カーボンマジック
トヨタ自動車株式会社
日本ミシュラン株式会社
日野自動車株式会社
株式会社ミツバ
アールエスコンポーネンツ株式会社
石塚工業株式会社
植木プラスチック株式会社
九重電気株式会社
株式会社ジェイテクト
サウジアラビア大使館文化部
株式会社三協
独立行政法人産業技術総合研究所
サンスター技研株式会社
株式会社スマートビジョン
株式会社ソーアップ
株式会社ソフトウェアクレイドル
チームTEEDDA (独立行政法人科学技術振興機構・平成24年度CREST採択事業)
日本ケミコン株式会社
株式会社日本デジコム
人気酒造株式会社
株式会社パトライト
有限会社フジアロイ
株式会社プロジェクト・ミュー
ベクター・ジャパン株式会社
有限会社三島木電子
ヤマハ発動機株式会社
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