ソーラーカーの技術

 2004年のワールド・ソーラーカー・ラリー( World Solaracar Rallye :WSR)と、全日本学生ソーラーカーチャンピオンシップが8月1〜3日に秋田県大潟村ソーラースポーツラインで開催されました。この大会に、東海大学からは理工系研究室連合の「東海大学ソーラーカーチーム」と、学生サークルの「東海大学ソーラーカー研究会」の2チームが参戦しました。ここでは、東海大学ソーラーカーチームの遠征について紹介します。今回は、レースどころではなく、とほほ・・・の旅でした。

 7月28日PM8:00にマイクロバスと4tトラックで湘南校舎を出発した。今回のルートは、長野−日本海ルート。片道800kmほどの長距離だ。しかし、甲府市内に入ったところで、4tトラックのブレーキが効きっぱなしになるというトラブルが発生。ふだんあまり使われていないトラックだったため、ブレーキ系統のシリンダの動きが悪くなっていたのかもしれない。PM10:00頃に左前輪から煙が出てきたのであわてて路肩に止めるが、ブレーキがさらに強くかかり、もはや自走することもできなくなった。ブレーキオイルも漏れている。JAFも4tサイズは対応しないようである。路上で止まるわけにもいかず、紹介してもらったレッカー会社に移動を依頼。しかし、深夜であるため修理もできない。

 

 けっきょく、翌朝の29日までマイクロバスの中で仮眠を取るが、周辺への騒音に配慮し、エンジンを止めてエアコンをかけず、満席だったので補助席で寝ることになる。といっても、寝苦しくてほとんど眠ることができない。翌朝、ディーラーの整備工場に運び込むが、修理が終わるのは、急いでも翌日30日の午後になるとのこと。そこで、バスだけを先行させ、トラックの修理を待つ。しかし、30日には車検とフリー走行がある。30日午後の出発では、31日の再車検を受けて、ぎりぎりで車検をパスしなくてはならない。時間的にはだいぶ苦しい。

 

 なんとか、31日の再車検には間に合わせて、0-400mのタイムトライアルでは、電気二重層キャパシタのおかげもあって3位となり、本戦1日目のスタートを気持ち良く切れる予定であった・・・。しかし、今年初めて運転するドライバーが2人もいるのだが、けっきょく練習走行によって経験を積むことができなかった。こんな状態では本戦を走り抜くことは、難しいだろう。

 

 スタートするも、さっそく電装系のトラブルの後、リアタイヤがパンクし、さらに左フロントのホイールが外れるなどのトラブルが発生し、早々に戦線離脱してしまう。やはり、トラックの故障による出遅れが響き車体の整備が万全ではなく、ドライバーやメカニックレベルアップが不足したこと。さらに、教員やOBスタッフ数が例年の半数以下という状況であった。今年はS8に期待するほかはないようだ・・・。

 S8は、なんとか3日間を走り抜き、鉛バッテリを積んだフルクラス(F-2)で優勝し、リチウムイオン電池を搭載したフリークラスと合わせても総合4位という好成績を収め、デザイン賞を受賞した。